一生旅行業界人宣言!SaYangの気まま旅log

脱サラし、自由人になったので、これからは世界のどこかでふらふらします。(今フィリピン)

セブ 中国人墓地で暮らす人たち。

セブの語学学校で働いていた際に、英語留学中の高校生と一緒にスタディーツアーに参加してきました。お世話になったのは、セブを拠点に活動しているNPO法人セブンスピリットさん。

最初に友人の紹介で知り合ってから、かれこれもう4年以上のお付き合いになりますが、セブで語学研修をしている団体様や個人の学生さん達に、英語学習やリゾートライフ以外の体験をして頂くべく、団体紹介をさせていただいておりました。フィリピンの現状や社会問題、子供たちの身の回りで起きている問題など、普通に語学留学をしているだけでは気がつけないことが沢山あり、参加された方々は皆さんハッと気がつくことが多く、大変勉強になったと言われます。

 

中国人の墓地

フィリピンには中国人や華僑の方々もたくさん住んでいます。富裕層の中国人たちが作った中国人墓地。広い敷地内に色々な形のお墓が並んでいました。セブの中心地からそう離れていない場所にあります。

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日本のお墓と違うのは、一つ一つのお墓がとても大きく独立していると言うこと。屋根や扉までついていて、立派です。

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墓地がひとつの小さな町のように

日本では考えられないことですが、お墓を占拠して住みついている人たちがいます。普通、日本だと夜は怖がってあまり近づかないですよね・・・?

先述した通り、お墓に屋根があって豪華なので、外で暮らすより雨風を凌げるということで、他に住む場所がない人たちが約400世帯ほど住むようになりました。墓地の敷地内はスクウォッターエリア(不法占拠地域)と化していました。もはや一つのバランガイ(最小自治区)みたいだとも思いました。一世帯、二世帯、とかではなく、数百世帯と言うから驚きです。

他人の墓の門の扉に、洗濯物を干している様子。

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もはや一見お墓とは分からないほど、家化しています。頑丈な扉もセッティングされて、これで雨風も凌げますね。門前にあるのは、盆栽??

各自占拠した墓地を改装して、サリサリストア(フィリピン版小さなコンビニのような売店)が営まれていたり。子ども用のデイケアセンターもありました。

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コンクリートで出来ているので、フィリピンによくあるこういったお家より、もしかしたら頑丈かも。

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墓石の上を台所として使っていたり、墓石をベッド代わりにして寝ている人もいます。もう10年以上もここに住んで、生活をしているという家庭もありました。

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この家はお墓の上に木で家を増築して、2階建てにしていますね。バスケットゴールがあるので、子供たち(大人もか?)の遊び場となっていました。

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中でも衝撃的だったのは棺桶の上にTV付きのカラオケマシーンを設置して、昼間っから大音量でカラオケ大会が行われていたこと。お父さんたちは「こんにちは~」とか「アニョーン」とか良いながら、めちゃくちゃ笑顔でこちらに話しかけてくるではないですか。さぞ「俺歌上手いだろ?」と言わんばかりのドヤ顔を見て、今お墓にいるんだ、ということを一瞬忘れました。ましてや彼らから貧困による悲壮感など全く感じません。

もし亡くなった方がこの近くに眠っていたならば、さぞ毎日退屈しないことでしょう。毎日POPな音楽と共に、にぎやかに過ごせます。何とも、フィリピンらしい光景。

 

お墓に住むということ

しかし残念ながら、墓石内に眠っていたご遺体は既にほとんど撤去されているようです。撤去と言う言葉が正しいのか分かりませんが、遺体に着せた装飾品など、お金になるものは盗まれ、売られてしまったとのこと。

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モラルと言うか、そんな次元のお話を今更しても、もうきりがないのかも知れません。亡くなった方の墓石を破壊し、漁る。更には亡くなった方と共存するかの如く、同じ空間で生活している。

単純に考えると、ここに住んでいる人たちはさぞモラルがない悪い人たち、と言うこともできます。でも、誰だって人が死んだら悲しむし、例えば家族や最愛の人の墓が他人に荒らされていたら怒るでしょう。ここに住んでいる人たちだって最初は好き好んでやったわけじゃなく、逆に言うとそうしなければ生きていけないほど、生活に困窮していたのだと思います。

数百世帯いるので各家庭の理由は分かりません。

路上生活をしていて、日々の生活に困っていたところに屋根がついた空間を見つけ、周りにも同じ境遇の人たちが住んでいて、路上よりも遥かに排気ガスや犯罪などから身を守れるこの墓地に移り住んだ、など色々な理由があったのだと思います。

 

現在はお墓の所有者(亡くなった方のご家族)が、ここに住む人たちを住ませてあげる代わりに、お墓の管理など、パトロールをお願いしていることもあるようです。なので場合によっては持ちつ持たれつの関係性が構築されている、ということです。

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こうして見ると、本当に一般的に道を歩いていて見る家と変わりありません。

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墓地で出会った可愛い子供たち。
彼らは私たちを見ると、外国人に興味深そうに近づいてきたり、ついて来たり。彼らがもう少し大きくなったら、墓地から毎日学校へ通います。でももしかしたら、通学に必要な制服や筆記用具、お弁当などが用意できず、次第に勉強を諦め、路上に働きに行ってしまうかもしれません。

この小さい男の子は、自分の家のこと、どう思っているのかな・・・

 

お墓に住みついている彼らを、酷いと思いますか?
可哀想と思いますか?

 

出来れば普通のお家に住みたいと思っているかもしれませんが、
お墓に住む前に比べたら、今は快適な生活を送れていて満足しているかも知れないし、このコミュニティー自体は安心して生活できる場所なのかも知れません。

仮に私が新しい綺麗なお家を渡して、ここに住んでいいよと言ったら、それは彼らにとって本当に幸せなことなのか。

ここ数年、長くフィリピンに関わって来ましたが、正直私は酷いとも可哀想とも思わなくなってきました。知らないフィリピンを知っていくたびに、自分の心がどう感じているのかが分からなくなります。

 

ただひたすらに 伝えたい、という思いと、
フィリピンという国をもっと知りたい、という思いが募るばかりです。

 


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